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建設業許可は自分でも取れる!!【テクニックではなく、基本を知ること】

 

建設業許可を取得してより大きなフィールドで積極的に事業を展開したい。でも建設業許可の取得にあたり自分で申請をするのは難しそう。何か敷居が高くて無理。と考えていまんか?

でも建設業許可の概要を理解し、建設業法で規定する許可要件(5つの条件)を満たし、欠格事由に該当していなければちゃんと取得できるものなのです。

今回は、建設業許可取得にあたってのクリアすべき5つの条件に触れる前に建設業許可とはどんなものなのかを簡単に知っていただきたいと思います。

多くのブログは、いきなり上記の5つの条件に触れるものが多いのですが、自分で取得をするなら、まずは建設業許可についての大枠(基本)をしっかり押さえるべきです。この記事を読み終えた時には、きっと自分で申請出来そうだなという気持ちになれるはずです。

なお、当ブログはシリーズ化して継続して情報発信を行っていく予定ですので、具体的な許可要件(5つの条件)は、次回お伝えしたいと思っております。では早速、建設業許可の概要について学びましょう。

■建設業の定義を確認しよう

建設業とは、元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業のことを指します。

ちなみに建設の工事については、詳しくは述べませんが、概ね以下の内容でご理解いただければいいと思います。

業種区分として大きく2つ。一つは一式業種(建設工事の業種2業種)でもう一つは専門業種(建設工事の業種27業種)になります。

一式業種の建設工事の業種としては、土木工事業と建築工事業があります。

なお、上記の一式業種は、原則として元請業者の立場で土木と建築に関して総合的な企画、下請業者等への指導、調整のマネージメントを行いつつ、自社および複数の下請業者等の建設技術を用いて大規模かつ複雑な土木・建築工事を施工するための業種になります。

次に専門業種の建設工事の業種としては、大工工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、ガラス工事業、造園工事業等、27業種に及びます。

つまり、この一式業種の2業種と専門業種の27業種を合わせた29業種が建設工事ということになります。

■建設業許可のことを知ろう

では、いよいよ「建設業許可」とは何かについて迫りたいと思います。

冒頭で述べたとおり、建設業を始めるには、「建設業許可」を受ける必要があります。

そして、この「建設業許可」には2種類の許可があります。

1つは「特定建設業許可」です。この特定建設業許可は、発注者から直接工事を受注する元請業者で下請への工事の請負金額(消費税込)が4,000万円以上(建築一式工事の場合は、6,000万円以上)になる場合に必要となる建設業許可です。

なお、上記の請負金額については、複数の下請業者に発注する場合には、その合計額で判断されます。また、下請業者に発注する金額が上記の金額に満たない場合には、特定建設業許可を受けていなくても下請業者に発注することが可能です。

もう一つは、「一般建設業許可」です。これについては簡単です。上記の特定建設業に該当しない建設業許可になります。

では、全ての建設工事について上記の「建設業許可」が必要になるかと言うと、そうではありません。

「軽微な工事」については、特に建設業許可を受けなくても工事が可能なのです。

軽微な工事とは、具体的には以下の工事になります。

① 建築工事で1件の請負金額が1,500万円未満の工事(建設請負契約に基づく報酬金額、消費税を含む)、または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
② 建築工事以外の建設工事で1件の請負金額が500万円未満の工事

ですから、これから建設業を始めようとする場合には、上記の内容を踏まえて、「建設業許可」が必要になるのか、必要になる場合には、どんな建設業許可が必要になるのかを見極める必要があります。

■許可を取得したら、それで終わりではない

さて、これで建設業を始める準備(建設業許可の取得)が出来そうですね。

でも実はこれで安心してはいけません。

建設業許可を新規で取得した後は、5年ごとに更新手続を行わなければなりません。

また、それ以外にも毎年「決算変更届」を提出したり、5年以内に届出事項に変更が生じた時には「変更届」を提出しなければならないのです。

つまり「建設業許可」を取得したら、それで終わりではなく、その許可を維持するための定期的な手続きが必要になってくるのです。

余談ですが、上記の「決算変更届」を提出するのを忘れてしまう建設業者さんがたくさんあります。

それは何故でしょうか。実はこの「決算変更届」の名称に理由があるようです。

一見すると決算の後に、なにか変更事由が生じた場合に提出する特殊な書類と勘違いされてしまうケースがあるからなのです。

この「決算変更届」は、決算内容や1期分の工事経歴を建設業法で定めた基準でまとめて提出する許可業者としての報告書で必ず提出しなければいけないものなのです。

そしてこの「決算変更届」を提出し忘れていると、その後の更新手続きや業種追加手続きが行えなくなってしまうだけでなく、建設業法50条で懲役刑や罰金刑(6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金)が科されてしまうこともあるのです。

更新手続きができなくなってしまった場合には、また一から新規で許可を取得し直す必要がありますので、時間もお金も無駄にしてしまうばかりでなく、対外的な信用も失ってしまいますので注意しましょう。

なお、この「決算変更届」は、毎事業年度の終了後4カ月以内となっています。一見時間的な余裕があるように感じられますが、事業年度終了後2、3カ月あたりで経費等を確定させて税務署へ決算申告した後に「決算変更届」の作成・提出を行う流れになりますので、結構タイトなスケジュールであることを頭に入れておきましょう。

「決算変更届」で通常必要となる書類は、概ね以下のとおりです。

① 変更届出書
② 工事経歴書
③ 直前3年の各事業年度の工事施工金額
④ 財務諸表 貸借対照表
⑤ 財務諸表 損益計算書・完成工事原価報告書
⑥ 財務諸表 株主資本等変動計算書
⑦ 財務諸表 注記表
⑧ 財務諸表 付属明細表
⑨ 事業報告書
⑩ 納税証明書
⑪ 使用人数(変更時)
⑫ 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表(変更時)
⑬ 定款

■公共工事を発注者から直接請け負いたい

建設業を安定して事業運営していくために公共工事を積極的に受注したいと考える建設業者さんもあると思います。

この場合には、「経営事項審査」を受けて、入札参加申請を行うといった手続きが必要になります。

この「経営事項審査」は、言わば建設業者さんの通信簿のようなもので、工事の実績・規模、資格をもっている技術者の在籍数、自己資本額、利益、建設機械の保有、社会保険の加入等さまざまな観点から建設業者さんの状況を分析し、評価が出されます。

この「経営事項審査」は、略して「経審」と呼ばれており、国土交通大臣の登録を受けた機関が経営状況分析を行い審査します。

なお、入札参加資格申請手続きの前提となるこの「経審」は、近年の公共工事の減少に伴って、総体的に減少傾向にあると言われています。

しかしながら、この「経審」の評点結果は、極めて社会的信頼性が高いことから、入札参加資格申請のためだけではなく、元請業者が下請業者を選定する時や継続的な取引のある下請業者の経営状態をチェックするために元請業者からの指示で経営事項審査を受ける建設業者さんが増えてきています。

■建設業法について理解しよう

建設業に関連する法律はいくつかあります。
品質確保に関する法律、公共工事の入札および契約の適正化に関する法律などが様々な法律が関連しています。

まずは、最も基本的な建設業法について、一度条文に目を通しておくと良いかもしれません。

いきなり理解する必要もありませんが、詰まるところ、建設業許可の基本は「建設業法」にあるからです。(今後、実務に触れる段階で理解が早まります)

ちなみに法律の条文って、なんか難しいですよね。

そこで、建設業法の条文を読み込む時に以下の点に留意すると、頭に入りやすくなります。

① 当然ですが、建設業の業務には、いくつかの段階がある
② 建設業法の構造は、上記と同じ

具体的には、建設業の業務の段階と建設業法の各章のタイトルをすり合わせながら読み込んでいくとわかりやすいです。

■建設業者に対しての心得
第1章 総則

<許可前>
■建設業を始めるとき
第2章 建設業の許可

<契約段階>
■建設工事を受注するとき/下請に発注するとき
第3章 建設工事の請負契約
■公共工事を元請として受注するとき
第4章の2 建設業者の経営に関する事項の審査等
■建設工事の請負契約に関する紛争が生じた時
第3章の2 建設工事の請負契約に関する紛争の処理

<施工段階>
■建設工事を施工する時
第4章 施工技術の確保

<監督処分・罰則>
■建設業法に違反した時
第5章 監督 / 第8章 罰則

いかがですか?

なんか少しわかりやすくなった気がしますよね。

では、今回はこれで終わりにしたいと思います。

次回は、いよいよ建設業許可を取得するための許可要件の詳細をお伝えしたいと思います。

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